エアコンを購入する際、本体価格だけでなく、工事費も考慮に入れる必要があります。工事費の中でも、「標準工事費」という言葉をよく耳にすると思いますが、具体的にどのような作業が含まれているのか、ご存知でしょうか?標準工事費とは、エアコンの取り付けに必要な基本的な作業の費用を指します。一般的に、以下の作業が含まれています。まず、室内機の取り付けです。室内機を壁に設置するための金具(背板)を取り付け、室内機を固定します。次に、室外機の設置です。室外機を平地またはベランダに設置します。室外機が安定するように、水平な場所に設置することが重要です。振動を抑えるためのゴム製の台(プラロック)を設置する場合もあります。続いて、配管接続です。室内機と室外機を冷媒配管、ドレンホース、連絡電線で接続します。冷媒配管は、冷媒ガスが通る管で、エアコンの冷暖房機能に欠かせない重要な部品です。ドレンホースは、室内機で発生した結露水を屋外に排出するためのホースです。連絡電線は、室内機と室外機の間で電気信号を送受信するための電線です。これらの配管は、通常4m以内であれば標準工事費に含まれます。4mを超える場合は、追加料金が発生することがあります。さらに、真空引き作業も標準工事費に含まれます。真空引きとは、配管内の空気や水分を取り除く作業です。この作業を行うことで、冷媒ガスの性能を最大限に引き出し、エアコンの故障を防ぐことができます。専用の真空ポンプを使用して、配管内を真空状態にします。最後に、動作確認を行います。エアコンが正常に動作するか、冷暖房が効くか、リモコン操作ができるかなどを確認します。これらの作業が、一般的に標準工事費に含まれる内容です。ただし、業者やエアコンの機種、設置場所によっては、標準工事費に含まれる内容が異なる場合があります。また、標準工事費の範囲を超える作業が必要な場合は、追加料金が発生します。例えば、配管の延長、壁の穴あけ、コンセントの増設や電圧の切り替え、室外機の特殊な設置(屋根置き、壁面設置、2段置きなど)、隠蔽配管などが挙げられます。エアコンの工事費は、決して安いものではありません。標準工事費に含まれる内容を理解し、追加工事が発生する可能性も考慮して、業者選びをすることが重要です。