中途半端なリフォームはしない。それが賢いリフォームの流儀。

2026年1月
  • マンションで排水溝から水が上がってきたら要注意

    知識

    マンションで暮らしていて、浴室や洗濯機パンの排水溝から水が逆流してくる。もし、その時あなたが水を使っていなかったとしたら、その恐怖と混乱は計り知れないでしょう。「自分は何もしていないのに、一体なぜ?」その答えは、マンションという集合住宅が持つ、排水管の共有構造に隠されています。この現象は、あなたの部屋に原因があるのではなく、建物全体の排水システムに問題が生じている可能性が高いことを示す、非常に危険なサインなのです。 マンションの排水管は、各住戸の床下を通る「専有部分」の配管と、それらが合流し、建物を縦に貫く「共用部分」の太い竪管で構成されています。問題は、この共用部分である竪管のどこかで深刻な詰まりが発生した場合です。例えば、上層階の誰かが誤って固形物を流したり、長年の汚れが蓄積して管が塞がったりすると、それより上から流れてきた全ての排水は行き場を失ってしまいます。そして、その行き場を失った汚水は、物理法則に従い、詰まっている箇所から最も近い、そして最も低い位置にある出口を探して逆流を始めます。その結果、詰まりが発生した階のすぐ下の住戸、特に一階や二階といった低層階の排水口が、悲劇的な出口となってしまうのです。 この場合、あなたの部屋は、全く身に覚えのない原因によって、上階から流れてきた汚水で水浸しになるという、理不尽な被害を受けることになります。言うまでもなく、修理の責任は共用部分を管理する管理組合にあり、費用も組合の火災保険などで賄われるのが一般的です。しかし、汚損した家具や床材の原状回復には多大な時間と労力がかかり、精神的なダメージは計り知れません。 このような事態を防ぐために最も重要なのが、管理組合が主体となって行う定期的な排水管の高圧洗浄です。これは、マンション全体の血管をきれいに保つための、いわば共同の健康診断です。また、もし自分の部屋で逆流が起きてしまったら、被害を最小限に食い止めるためにも、すぐに水を止め、ためらわずに管理会社へ緊急連絡することが鉄則です。マンションの排水溝からの逆流は、個人の問題ではなく、そこに住む全員で共有するリスクであるという意識を持つことが、快適な共同生活を守る上で不可欠なのです。