部屋にゴキブリがいるかもしれないという不安は、想像するだけで落ち着かないものです。姿を直接見ていなくても、何かしらの気配を感じてしまうことは少なくありません。その存在を確かめるための最も確実で基本的な方法が、彼らが残す痕跡、特に糞を探すことです。ゴキブリの糞は「ラッソ」とも呼ばれ、その存在を示す動かぬ証拠となります。ゴキブリの糞は、一見すると黒い胡椒の粒やコーヒーの粉のように見えます。大きさは一ミリメートル前後で、乾燥しており、触ると硬いのが特徴です。この小さな黒い粒が、部屋の特定の場所に集中して落ちていたら、それはゴキブリが潜んでいる可能性が非常に高いサインです。彼らは食事をした場所や、巣の近くで糞をする習性があるため、糞の量や場所から活動範囲を推測することができます。では、具体的にどこを探せばよいのでしょうか。まずチェックすべきは、キッチンです。シンクの下の収納スペースや、コンロの周り、食器棚の隅などは、餌や水が豊富で格好の潜伏場所となります。引き出しの中や棚の奥なども念入りに確認しましょう。次に、冷蔵庫や電子レンジといった電化製品の裏側や下です。これらの場所は常に暖かく、暗いため、ゴキブリにとって非常に居心地の良い環境です。普段は動かさない場所だからこそ、彼らの巣になっている可能性も考えられます。その他にも、部屋の隅や家具の裏、本棚の奥、押し入れの中など、暗くて人目につきにくい場所は全てチェックポイントです。糞を見つけたということは、少なくとも一匹はあなたの部屋で活動しているということを意味します。それは不安を煽る事実かもしれませんが、同時に具体的な対策を始めるべきだという明確な合図でもあります。まずは糞をきれいに掃除し、その場所に粘着トラップを仕掛けるなど、次の一手を打つための重要な手がかりとなるのです。
部屋の隅にある黒い粒の正体を確かめる